青い大蛇ーーー昔話

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今回は、昨年亡くなった私の叔父が経験した不思議な体験の一つをお話しします。
叔父は江戸時代から代々続く老舗の米穀店と雑貨店を経営していました。敷地がとても広くお店仕事の傍ら畑仕事もしていました.
今から約六十年前の事です、お店の売り上げがあまり良くないのでどうしたら良いかと畑仕事をしながら考えていました。
夕暮れになってきたのでそろそろ仕事を切り上げて家に戻ろうと畦道を歩いていたとき、急に身の丈が自分の倍くらいありそうな大きな青い大蛇が現れたのです。
その大蛇がじっと睨んでいたので怖くなり一目散に家へ逃げ帰りましたが後を追いかけてくる様子がなっかたので一安心しましたが、なんとなく悲しそうな蛇が思い出されるのです。
どうしたことだろうと考えましたが先代が言っていたことを思い出しました。
昔、店の前に具合が悪くなって倒れていた旅の者があり、家の中にいれ看病をしてあげたところ、元気になったのでそのまま店で働いてもらう事にしました。
ところが数か月したときに「私はもう長くは生きていられません、やり残したことがありますのでこれでお暇します、ご恩は一生忘れません」といって出ていきました。
後日、風のうわさで行き倒れになってしまったと先代が話していたことを思い出し、もしかしてその時の旅の者の化身かもしれないと思い八方手を尽くし消息を調べましたが、
行き倒れになりそのまま行方知れずになってしまったという事しか解りませんでした。
叔父は哀れに思い石碑をたて手厚く供養をしました。ある日のこと畑仕事を終えて家に戻ろうとした所、又、青い大蛇が現れ伯父の周りを一周するとパッと姿を消してしまいました。
その翌日から商売が良くなり、店も大きくなり商売繫盛したというお話です。叔父は困ってる人がいたら助けること、そうすればいつか自分にもいいことがあると口癖のように言っておりました。